債権譲渡
つくばの事務所で行っている法律相談の中で、債務整理に関する相談はとても多く、内容も様々です。
その中には、「知らない会社から突然返済を求める通知が来た」ことをきっかけに相談にいらっしゃる方もいます。
「通知を受けた会社からは、借りた覚えがないし、詐欺ではないか」と疑われていらっしゃる場合もあります。
このような場合、実際に詐欺という可能性なくはありませんが、多くの場合、債権が別会社に譲渡されたものです。
債権譲渡以外に借入をした会社と違う会社から請求がくる場合としては、保証会社が代位弁済したという場合もありますが、保証会社とは債務者自身が保証委託契約をしていたり、借入先の系列会社のことも多いので通知が来て驚くことは、あまりないようです。
ところで、債務者が知らない間に債権の譲渡がなされていれば、債務者としては本当に債権を譲受したのか分からず、返済してよいか判断できないことになってしまいます。
そのため、民法467条第1項に、債権の譲渡は、譲渡人から債務者に通知、あるいは債務者からの承認がなければ債務者に対抗できない旨定められています。
実際は、譲受人が譲渡人を代理して通知することもよくありますが、いずれにしても、債務者の方のもとには譲渡された旨の通知は届いているはずです。
債権譲渡は、譲渡人、譲受人それぞれの業務の効率化を図る合理的な手法と言えますから、債務者が返済を暫く滞ってしまったとき、よく行われる取引です。
返済が厳しくなってしまうと、債権者からの通知の書面は見たくないと思うのは仕方ないのかもしれませんが、自身の状況を把握し、どうすべきかを判断するためにも、必ず通知が来たら内容を確認すべきと思います。
通知内容を確認し、疑問点があった場合は、まずは、法律の専門家に相談してみて、どうすべきかを考えた方がよいでしょう。


